お知らせ

東京女子医科大学入学式

東京女子医科大学入学式


令和七年度 東京女子医科大学医学部入学式 祝辞

 桜前線が日本列島を北上し、春の息吹が感じられますこのうららかな良き日に、晴れて入学の日を迎えられました新入生の皆様、ご入学おめでとうございます。
また、この日を心待ちにされていらしたご両親、ご家族の皆様、東京女子医科大学の教職員の皆様に心からお祝い申し上げます。

 一般社団法人至誠会、東京女子医科大学医学部同窓会であります至誠会を代表して御挨拶させていただきます。
皆様は医学部在学中には至誠会準会員であり、卒業後は至誠会正会員となられます。この場をお借りいたしまして、改めて至誠会についてお話をさせていただきます。

 皆様もご存知のとおり、「女性が自由に学び、社会に貢献できる人材を育成する場」として、明治33年に吉岡弥生先生により、東京女子医科大学の前進である東京女医学校が創立されました。現在、女子医大は、我が国唯一・世界で唯一の女性のみに医学教育を行う医科大学であり、すでに1万人を超える女性医師を輩出したことになります。

 同窓会は校友会という名称で発足しましたが、大正十五年、弥生先生より寄贈された動産、不動産をもとに、同窓会は「至誠会」と名称を変え、さらにその後「一般社団法人至誠会」としての認可を受けました。
現在、至誠会は公益事業として看護専門学校の運営、学術研究への助成、保育園への助成をはじめとする男女共同参画事業、一般市民を対象とした公開健康講座の開催等を行っております。
収益事業として世田谷区に至誠会第二病院をもち、地域医療に貢献しております。
本部事業は、同窓会の運営と事業の運営です。同窓会としての至誠会は47都道府県に支部を持ち、各支部ごとに支部会を開催し、幅広い世代での交友を深めております。

 さて、皆様は今後6年間、本学で多くのことを学んでいくことになります。女子だけのクラスですので、実験や解剖実習などでは男子に頼ることなく、率先して手を出していかねばなりません。55年も前のことになりますが、
私も生理学の実習ではじゃんけんに負けて、水槽にカエルをつかみに行くという経験もいたしました。その時は共学がうらやましかったのですが、本学では世間にあります、性別役割分担などを気にせずに勉学にいそしむことが出来ました。

 皆様には、ロールモデルとなる素晴らしい先生方、先輩方に今後は出会われることになり、女子医大に息づく伝統と精神を受け継いでいくことと思います。そして、六年間苦楽を共にしますクラスメートは、生涯の友人となることでしょう。私達五十年卒のクラスは毎年クラスで旅行会を開き、互いの悩みや元気をやり取りしております。皆策には勉学のみならず、クラブ活動やボランティアなどでも多くの経験を得てください。そして幅広い、心の幅広い人間になりますように。そして今後有意義な六年間を過ごされますよう、願っております。
終わりにあたりまして、新入学の皆様と、本日ご臨席の皆様のご健康と今後のご活躍を心から祈念し、私の祝辞とさせていただきます。
本日はご入学、誠におめでとうございます。

令和7年4月7日
一般社団法人至誠会 代表理事
東京女子医科大学医学部同窓会 会長
齋藤麗子